2025.12.03

  • コラム

返した苗木のその後

「戻り苗の森」で、あの日の苗が育っています。

秋になると、戻り苗を育ててくださった皆さんから、たくさんの苗木が私たち事務局の元へ戻ってきます。
今年も11月〜12月にかけて、続々と小さな仲間たちが集まってきています。

届いた苗木は、返送してくださった方のお名前を記したピンクのリボンを結び、
ひとつひとつ、「戻り苗の森」に丁寧に植えていきます。

風が吹くと、リボンが静かに揺れ、苗が並ぶ様子がよくわかります。

「戻り苗の森」では、夏になると草刈りを行います。
背の高い雑草を整えることで、みんなの苗木がしっかりと光を受け取れるように。
スタッフが一本ずつ状態を確かめながら、森の手入れを続けています。

2年前に植えた苗は、もう約2mに。

戻り苗がはじまったのは2021年。
初めて植林を行ったのは2023年の秋でした。
そのとき、地面におさめた苗木はまだ30cmほどの小さな姿。
それが今では、人の背丈を越える高さまで成長しています。

小さかった苗は、枝を広げ、しっかりと根を張り、いまでは森の景色の一部になっています。

2023年に初めて戻ってきた苗木
2025年にはこんなに大きくなりました

みんなの木々からどんぐりが拾える日を夢みて。

2023年に植え、大きく育ちつつある苗木は、またどんぐりを落とす木になります。
そのどんぐりが芽吹き、また誰かの手に渡り、
育てられ、森へ戻ってくる——そんなやさしい循環が少しずつ形になりはじめています。

参加者の皆さんが育てた苗から落ちたどんぐりが、
また誰かの手に渡る日を心から楽しみにしています。

小さな苗から、続いていく森の物語。

森は、一日では育ちません。
ですが、あなたが芽吹かせた一本の苗が、確かに“未来の森”の一部になっています。
また秋が来たら、森で会いましょう。