2026.04.04
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戻り苗のものづくり – ヒノキの木鉢ができるまで –
戻り苗で苗木を育てる鉢には、苗木が戻る場所である和歌山県田辺市で採れた紀州材のヒノキを使用しています。
それは、戻り苗を通して、「森をつくること」だけでなく、「森をつかうこと」も含めて、循環を一緒に生み出していただきたいという想いからです。育てる苗木だけでなく、木鉢を通して木材にも思いを馳せていただいて、過去と未来の両方の視点から森を見ていただきたいなと考えています。
この記事では、そんな戻り苗の木鉢がどのように作られているのかをご紹介します。
山の麓の小さな木工所「木の工房 樫」
和歌山県田辺市に「ひき岩群」という岩山があります。1500万年まえに隆起した岩盤がドミノのように折り重なった珍しい地形と、植生をもつ場所です。

その岩山の麓、カシの木に囲まれた場所に、木造の小さな木工所「木の工房 樫」があります。


ここで木のものづくりを行なっていらっしゃるのが、木工職人の樫本さんです。
この場所に木工所を構えられたのは、約30年前。
和歌山県の木材を中心に、オーダーメイドで家具を作り続けてこられました。

木工所内には、戻り苗はじめ木のものづくりにしようされる色んな大きさ、厚み、種類の木材が積み上げられていて、木の香りが広がっています。
木工所内には小窓がいくつかあり、春から夏にかけては、樫本さんが置いたエサを求めて小鳥が訪れます。秋には木工所のトタン屋根にカシの木のどんぐりが落ちてきて、トンッ…トトンッと不規則なリズムが聞こえてきます。

木鉢ができるまで
和歌山県で採れたヒノキの大きな板を薄くスライスし、それをまた小さくカットして、木鉢を構成する7枚の板を切り出していきます。
木材は、他の素材に比べて「個性」があるので、膨らんだり縮んだり、割れたり裂けたりと、コントロールが難しいもの。木目や乾燥具合など様々な視点で観察しながら、それぞれのパーツがピッタリと組み合うようにカットを入れていきます。

切ったパーツを、接着し組み上げていくと木鉢が完成します。たくさんの木鉢が木工所に並ぶ様子は可愛らしく、ひとつひとつが全国に旅立っていくと思うと、嬉しい気持ちになります。

苗木も木鉢も唯一無二
これまでお話ししてきたように、戻り苗の木鉢は、たった一人の職人さんが一つずつ手作りで製作しており、年間に作ることができる数が限られています。またそこで使われる木材も、色合い、年輪の入り方など一つ一つ同じものはありません。
苗木と同じように、木鉢との出会いも楽しんでいただけると嬉しく思います。
